(イラストが上達するには)7つの方法と3つの秘訣/連載⑥(全10回)
成長の速度を理解して淡々と進もう/イラストが上手くなるには?
こんにちは。イラストレーターのAkihisaです。
イラストが上手く描けるようになるための7つの方法と、楽しく描くための3つの秘訣。
第6回目は「成長の速度を理解して淡々と進もう」です。
これまで書いてきた記事を、いったん目次にして整理してみます。
イラストが上達するための練習や勉強を繰り返してきて、アイデアスケッチやラフもたくさん描いて、1ヶ月、2ヶ月が経ちました。
自分はどのぐらい上達しただろうか?
その成果をはっきり実感したいと思いますよね。
その時に、理解しておきたいのが、何かを勉強したり、練習した時の成長の速度です。
漫画「鬼滅の刃」にも、そのことがわかりやすく描かれています。
これは後ほど触れます。
成長の速度は努力に比例しない
練習量や勉強量と、時間の経過による成果や成長が比例しないことを、あらかじめ理解しておくと、気持ちが楽になります。
努力したらその分だけ着実にレベルアップしていければ理想的ですが、最初はなかなか上達が感じられません。
でも努力と時間が一定量を超えた時、大きな成長を実感できる瞬間が、ある日急に訪れます。
成長曲線(学習曲線)
最初はいくら頑張っても、なかなか出来るようにならない。
でも、時間をかけて毎日頑張っていると、ある日急に、楽に出来るようになることがあります。
仕事も、料理も、スポーツも、楽器の演奏も、すべてそういう瞬間があります。
かけた努力と時間、それに対する上達は、きれいに比例する形にはなりません。
①はじめに、なかなか伸びを感じづらい「準備期」があります。
②やがて伸びを実感出来る「発展期」がやってきます。
③しかし、さらにその上にいくには、また停滞する時期「高原期」が来ます。
この学習曲線の考え方は、ドイツの心理学者Hermann Ebbinghaus(ハーマン・エビングハウス)によって、1885年に提唱されました。
3つのステップを繰り返していく/イラストレーターになるには
この「準備期」「発展期」「高原期」を3つのステップを、何度も繰り返しながら上へと進んでいきます。ステップを繰り返すごとに、成長の速度は早くなっていきます。
一番もったいないのは、初期の「準備期」でなかなかうまく行かない時に、成果が出なくて嫌になってしまうこと、面白くなくなってやめてしまうことです。
どんなことでも、初期の段階で上手くいかずにヤメてしまう人が圧倒的多数です。
1年も経つ頃には、一緒にスタートを切ったはずの人たちが、半数以上いなくなっていることに気づくでしょう。
2年も3年も、毎日イラストを描き続けている人となると、当初の1/3〜10%以下になっているのではないかと思います。
何年も続けるというのは、逆に言えば、普通ではないこと。
異常なことです。
でも、異常な継続があって初めて得られるもの、見渡すことのできる景色があります。
イラストレーターになるには?
普通の人なら途中でやめてしまうことを、あきらめずに続けること。
しかもただ惰性で何も考えずに適当なものを描くのではなく、常に「上手くなろう」と工夫しながら、熱意を持って描き続けること。
僕はそれに尽きると思っています。
それはある意味、”異常”なことですが。
鬼滅の刃」にも成長曲線をあらわすエピソードが出てくる
好きな漫画「鬼滅の刃」にも、成長曲線(学習曲線)をあらわすエピソードが出てきます。
鱗滝さんから学ぶ1年以上の長い訓練。
その後、半年以上かけても岩を斬れない。
錆兎(さびと)と真菰(まこも)にも教えられながら、それでも斬れるようにならない。
努力と成果は比例してあらわれない。
しかし長く続けていると、ある日突然できるようになります。
いくら頑張っても変化がないと思っていたのに、能力が急上昇したかのように見える。
初めて自転車に乗れるようになった時に似ていますよね。
「鬼滅の刃」からは、イラスト制作の上でも考えさせられること、勉強になることが多いなと思います。
今回の記事とは直接関係ありませんが、いくつか関連記事を書いていますので、リンクを貼っておきます。
イラスト制作の成長・成果
イラストの上達、成長や成果も似ています。
すべての努力は無駄にはなりません。
むしろ普通の人があきらめたあとのタイミングで成果はあらわれてくる。
それを信じて、最低少なくとも数ヶ月〜1年は、あえて成果なんて気にせずに、ひたすらひたむきに描きます。
情報もどんどん自分から取りに行って学びます。
それでも、3ヶ月、4ヶ月と頑張って描き続けているうちには、自分自身、「前よりずいぶん良くなってきたな」という感触が出てきます。
以前は相当に苦労して描いていたものが楽に描けたり、描くスピードも何倍も早くなってきます。
そういった、自分で感じられる成長、手応えが感じられるようになったらしめたもの。
小さくても、変化が実感できることはとても勇気づけられることで、その感触を忘れないようにします。
続けていれば、もっともっと上手くなれるということが、体で信じられるようになります。
最初は成果を期待しない
イラストを「人に褒めてもらえた」、「イラストの仕事が来た」といったような、目に見える成果、他人からの評価にもどんどんつなげていきたいところですが、とにかく最初は、それは気にしないようにしましょう。
繰り返しですが、そこにはどうしてもタイムラグがあります。
ここで急ぎすぎてしまうと、嫌な気持ちになったり、挫折にもつながりやすいので注意が必要です。
今回書いた、成長曲線(学習曲線)が、決して比例していないことを思い出してください。
努力したことの見返りや、他人の評価を期待しすぎると、心が折れやすくなり、挫折のもとです。
いくら努力しても、数ヶ月は成長が感じられないのが当たり前。
むしろ普通のことで、自分の能力が劣っているわけではない、とはじめから割り切ってしまいます。
結果を気にしすぎず、楽な気持ちで取り組むことが、継続して頑張れる秘訣です。
「学習曲線」のステップを繰り返し、いい作品を描いていれば、いずれ必ず結果はついてきます。
それではまた。
イラストレーターAkihisaSawada
↓ このイラストは、「上達法」⑤の見出し用に描いた、ガッツボーズをする女の子のイラスト。
全身ヴァージョンです。
→ 次回、イラストの上達方法⑦は「ひたすら描きつづけよう」の予定です。
近日中に掲載予定です。
「イラストの上達法」バックナンバーはこちらから
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