【イラストの上達方法】連載③アイデア出し・ラフに時間をかける

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(イラストが上達するには)7つの方法と3つの秘訣/連載③(全10回)

フォークとナイフを持つ食事する女の子のイラスト

「アイデア出し・ラフに時間をかける」

こんにちは。イラストレーターのAkihisaです。

イラストが上手く描けるようになるための7つの方法と、楽しく描くための3つの秘訣。
第3回目は「アイデア出し・ラフに時間をかける」。

○ 前回の記事はこちら
akihisasawada.com



アイデアは出来るだけたくさん出す

ひとつの作品を描く時には、出来るだけたくさんアイデアを出します。
仕事で描く作品、オリジナル作品にかかわらず、一つのアイデアにすぐ決めてしまわないで、できるだけたくさん考えて、落書き程度でいいのでいくつも案を出したあと、ラフ制作に入っていきます。

アイデア、ラフに時間をかける

アイデア出しをどれだけやったか、ラフをどれだけ描いたかで、作品自体が出来が左右されます。
僕の場合、アイデア出し+ラフ制作の時間が6割ぐらいで、残り4割が本番制作・仕上げの時間、という割合が多いです。

もちろん、仕事によってはスケジュールが非常にタイトだったり、予算もなかったりして、手早くまとめていく必要もあるのですが(とくに雑誌)、それでも出来る限り、アイデア出しはたくさんするようにしています。

とくに、まだ経験が浅いうちは、1つの作品に対して、どれだけアイデアを出せるか、練習のつもりでやってみましょう。

いきなり丁寧に描かない。あえて雑に描く

良い作品ができない理由の1つとして、いきなり丁寧に、細かく描き始めてしまう、というのがあります。
すぐ「決め打ち」したくなってしまうんですね。
雑に描く、というと語弊があるかもしれませんが、最初からあまり細かいところにこだわらず、のびのび描いてみよう、ということです。

最初は、落書き程度でいいので、アイデアをたくさん出してみる。
ここでは、あえて雑でもいいので、”手早さ”を優先して描きます。
そうしないと、考えが1つに固定されてしまうからです。

丁寧に描き始めてしまったら、「今はそこじゃない」「丁寧に描く段階じゃない」と立ち止まります。
アイデア、ラフの段階は、丁寧に描くことが目的ではなく、考えるための時間です。

いきなり1つに決めてしまうと、もしそれがあまり良くないアイデアだったとしても、たくさん時間をかけてしまったぶん、描いたものに未練が残ります。
「せっかく時間をかけたのに」と考えてしまい、後戻りがしづらくなります。

作例紹介

実際の例として、僕の作品を紹介します。

このお仕事は、東京赤坂の「赤坂BIZタワー」、「東急プラザ赤坂」、「東京ガーデンテラス紀尾井町」の3施設合同で作った冊子「冬の食キャンペーン」の表紙用に描いたものです。
少し前にアップした記事で、イラストを紹介しました。

akihisasawada.com

3施設のたくさんの飲食店を「食べ歩く」というのがテーマです。

その時描いたアイデアスケッチがこちらです

【イラストの上達方法】③アイデア出し・ラフに時間をかける

その後、ラフまで進めた状態です

【イラストの上達方法】③アイデア出し・ラフに時間をかける

最終的に仕上げたイラストです

描いたラフを元に、服装を変更したりして、最終的にはこんなイラストに仕上がりました。
たくさん描いたアイデアスケッチ、ラフイラストの中でも、使ったのはこの1点のみです。

【イラストの上達方法】イラストの本制作・仕上げ

今回の例はちょっと特別で、アイデア出しはともかく、普通はこんなにたくさんはラフを描きません。

案件の規模がわりと大きかったことと、制作の時間が長めに取れたこと、また基本的な部分として、クライアントさんと発注してくれた広告担当さんとの間で、意見がまとまりづらかった、ということがありました。
そのため、打ち合わせをしながらラフをいくつか描いた経緯があります。

また人数も、当初は2、3人のキャラクターを使用するという予定だったので、いくつものラフを描くことになりました。

選択肢、可能性を広げる

今回の例はちょっと特殊で、通常のお仕事では、こんなにラフを描くケースは少ないのですが、アイデアをたくさん出して、選択肢を広げることは大事です。
その仕事だけにとどまらず、自分の引き出しを増やしていくためにも役に立ちます。

イラストに限らずですが、行き詰ってしまう時というのは、選択肢がせばまっている、たくさんあるはずの可能性が見えなくなっている、という場合が多いのではないでしょうか。

一つの答えにこだわらずに、こういうやり方もある、ああいうやり方もある、とアイデアをいっぱい出してみることが、納得のいく作品作りにつながります。
また、担当者がイラストの発注になれていないケースもあります。
そういう場合、どういう流れで進めたらいいかを相談されることも、わりとよくあることです。

そんな時は、お客さん自身も、最終的にどんなイメージのイラストが欲しいのか、わかっていない場合が少なくありません。
いくつかのラフを提案してあげると、先方もそれをもとにして具体的なアイデアや希望が出てきたりします。
そういうケースは、たしかに手間はかかるのですが、自分が提案したものが採用される=自分が好きなもの、いいと思うものを描けるチャンスでもあります。

使われなかったアイデアやラフは別の仕事、オリジナル作品に使える

また、たくさん描いたアイデアスケッチやラフは、その仕事で使われなくても、別の機会に活かせるので、無駄にはなりません。
仕事でボツになったイラストを、オリジナル作品として仕上げたものが、僕はたくさんあります。

仕事をしながらオリジナル作品を描いていることにもなるので、一石二鳥ですよね。
今回のお仕事も、まさにそうでした。
このイラストを、オリジナル作品として仕上げました。
クリスウマスイブ_大きなフォークとナイフでケーキを食べる女性のイラスト

1つの作品で、出来るだけたくさんのアイデアを出してみること、スケッチやラフを描いてみることが、上達につながっていきます。
自分自身のストックにもなっていくので、1つの仕事を得たら”1つ”にとどめず、その機会を何倍にも膨らませて活用するといいと思います。

それではまた。
イラストレーターAkihisaSawada

https://akihisasawada.com/wp-content/uploads/2021/01/02_iof281_i149_03-300x300.jpg
AkihisaSawada

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