(イラストが上達するには)7つの方法と3つの秘訣/連載④(全10回)
喜んでもらいたい相手を決めよう
こんにちは。イラストレーターのAkihisaです。
イラストが上手く描けるようになるための7つの方法と、楽しく描くための3つの秘訣。
第4回目は「喜んでもらいたい相手を決めよう」。
○ 前回の記事はこちら
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誰に喜んでもらいたいイラスト?
自分が描くイラストは、誰に喜んでもらいたいものか?
作品を描きはじめる前にそれをよく考えると、上達の速度がぐっと上がります。
イラストに限らず、どんなモノ作りでも仕事でもそうですが、それを受け取って喜んでくれる相手の姿が自分なりに見えていないと、自分だけがいいと思っているだけの、独りよがりな作品になりがちです。
これは、わりと簡単に陥りやすい落とし穴なので注意しましょう。
「上手くなりたい」のは、誰かに喜んで欲しいから
イラストを描く人は、みんな「上手くなりたい」と思っています。
でも「上手い」というのは、そもそも他人が存在するから成立する基準です。
純粋に自分一人だけの世界だったら、上手いも下手もありません。
上手くなりたいのは、誰かに「嬉しい」、「素敵」、「プレゼントありがとう」、と思ってもらいたいからですよね。
「上手い」に基準はありませんが、「誰に喜んでもらいたいか。どういうものなら喜んでもらえると思うか」が、はっきり定まると、描く内容も、描き方も、今までとは少し変わってきます。
自分を貫くことも大事
とはいえ、自分が好きなものを描くこと、追求することも大事です。
それがないと、何年も描き続けるのは難しい。
イラストは、基本一人で部屋にこもって黙々と続けていく作業です。
時には「人に批判されても、なんと言われても」という、自分を信じる強い気持ちがないと、長く続けていくことは難しくなります。
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その自分を信じる気持ちの根っこには、その作品が「誰かに気に入ってもらえるはずだ」、「喜んでもらえるはずだ」、という思いがあるはずだと思います。
ただ、「そのイラストを誰に喜んでもらいたいか」ということを忘れてしまうと、作品は迷い始めます。
どこに向かってボールを投げているのかが、だんだんわからなくなってきます。
イラストを描くことは、好きな人にプレゼントすることと似ています。
どんなプレゼントなら相手が喜んでくれるだろうか?
そもそも誰にプレゼントするのか、イラストを描き始める前に、しっかり考えて描くことがとても大事なのです。
渡した時の相手の反応を具体的にイメージ出来ていればいるほど、上達は早くなります。
自分が描きたいものと、相手が必要としているものが重なり合うところ
いくら相手が喜ぶからといっても、自分が好きでじゃないもの、楽しくもなんともないものを描く必要はありません。
自分がいいと思うものと、人がいいと思ってくれるもの、その輪の重なる部分を探して描いていきます。
イラストは、描くこと以上に、この重なる部分を探し続けることなのだと思います。
好きでなければ続けられないし、自分が楽しくなければ続けられません。
自分も楽しいし、相手も楽しい。
描くことはそれを探し続ける旅のようなものです。
輪の重なる部分で描けるようになると、イラストが仕事になっていきます。
イラストレーターになるには/実際にイラストが使われるシーンを想定する
実際にそのイラストが、どんな場面で使われるかを想定して描いてみるのがいい練習になります。
どんな場所で、イラストの仕事をしてみたいか?
雑誌、書籍、広告、パンフレット、グッズ、CDのジャケット、ポスターなど。
さらには、その雑誌や本、パンフレットや広告が、どんなジャンルのものか、どんなお客さん向けのものか?
自分のイラストがその媒体に使われた時に、その紙面や広告にしっくりくるだろうか?
イラストが添えられることで、より効果的に演出されるだろか?
内容が、より伝わりやすくなるだろうか?
そんなことを考えながら、イラストが実際に使われる場所を具体的に想定して描くと、強力なトレーニングになります。
架空の本の装画、架空のポスターのメインビジュアル、架空の冊子のカットイラスト、それらを自分で設定して、描いてみましょう。
発注者が見ているのは、使いたい場所で、使いたいイラストかどうか
イラストの仕事を発注してくれるのはどんな人でしょうか?
雑誌や本の編集者?
広告やポスターを手がけるアートディレクター?
商品開発のデザイン部署やプロダクション?
発注者が探しているのは、自分が手がけている本や広告、商品に、ちょうどいいイラストがないか、ということです。
「このイラストならピッタリかもしれない」
「このイラストレーターなら、本の世界を上手く表現してくれるかもしれない」
そんなイラストや、イラストレーターを探しています。
たとえものすごくデッサンが上手くても、芸術的でも、使いたい場面に合うイラストでなければ仕事の声はかかりません。
現在すでにある雑誌や書籍、パンフレットなどのうち一つを決めて、実際に依頼が来たと想定して、絵を描いてみます。
特定の誰かに喜んで欲しいという出発点もありです
喜んでもらいた相手が、「特定の誰か」でもぜんぜんいいと思います。
たった一人を喜ばせるために描くのは十分ありだし、実はプロとして仕事をしていく上でも、それが基本だと思っています。
そのかわり、その相手にとことん気に入ってもらうために、徹底的に考えて、工夫をします。
実は、僕がイラストを描き始めた出発点もそこでした。
当時、つきあい始めたばかりの彼女の誕生日が間近に迫っていて、「そうだ、絵を描いてプレゼントしよう」と、急に思い立ったのが始まりです。
それまで何年も絵を描くこと自体していませんでしたが、それをキッカケにして、その後イラストを描き続ける毎日が始まりました。
その延長でやがて仕事として描くようになり、数年後にプロとして独立することになりました。
ちなみに、別にノロケるわけではないのですが、その彼女は今、僕の奥さんになってくれています。
誰かに喜んでもらいたくて描くこと。
それがすべての始まりです。
それではまた。
イラストレーターAkihisaSawada
→ イラストの上達方法⑤「イラスト制作のPDCAを回す」
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