「流星の絆」― 東野圭吾の魅力が詰まった心揺さぶる物語

東野圭吾「流星の絆」を読む

先日ブックオフで100円で買ったものですが、しっかり楽しませてもらいました。

「流星の絆」は2006年9月16日号から2007年9月15日号まで『週刊現代』に連載され、2008年3月5日に講談社より単行本が刊行。
2011年4月15日に文庫版が出版された作品。
2008年10月にテレビドラマ化もされています。

幼少時に両親を惨殺された三兄妹が、14年後に真犯人を追い詰める復讐劇を描く物語。

あらすじ

横須賀にある洋食店「アリアケ」を営む有明家の三兄妹、功一、泰輔、静奈は、夜中に家を抜け出して流星群を観に出かけている間に、両親が何者かにより刃物で惨殺される。

身寄りがなく、養護施設で過ごした三兄妹。
事件から14年後、生きるために詐欺グループになった彼らの前に、犯人を突き止めるチャンスが訪れる。

洋食チェーン御曹司の戸神行成を詐欺のターゲットにした3人は、彼の父親の政行が、両親が惨殺された時間に家から出てきた人物に似ていることに気づく。
そして、戸神の店の名物のハヤシライスの味が、かつて父が作っていたものと全く同じであることから、両親を殺害し、レシピを盗んだ犯人が戸神であると確信する。

行成に接近して政行を陥れるための罠を張る三人。
復讐計画は順調に進むが、最大の誤算は、妹の静奈が行成に恋心を寄せてしまったことだった。

読後

ちょうど東京出張があり、片道約３時間の高速バスの旅、行き帰りで読み終えました。

「流星の絆」は他の彼の作品と比較しても、それぞれキャラクターが魅力的で、心理描写の巧さも際立っています。静奈が行成に恋心を抱いていく様子、葛藤や感情描写が印象的。

読者を引き込む緻密なプロット、結末の意外性、まったく予想のつかない真相と、感動的なラスト、暖かな余韻が残る作品です。

推理小説ファンだけでなく、ぜひ読んで欲しいオススメの一冊。

それではまた。

東野圭吾「流星の絆 」(講談社文庫)

（書籍版・kindle 電子書籍版）

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