(イラストが上達するには)7つの方法と3つの秘訣/連載⑤(全10回)
イラスト制作のPDCAをガンガン回そう/イラストが上手くなるには?
こんにちは。イラストレーターのAkihisaです。
イラストが上手く描けるようになるための7つの方法と、楽しく描くための3つの秘訣。
第5回目は「イラスト制作のPDCAをガンガン回そう」です。
前回の記事はこちら。
「PDCA」の考え方を使ってみる
ビジネス用語で、「PDCA」という言葉があります。
日々のイラスト制作の課程でも、この考え方は使えます。
「PDCA」とは、
この4つのステップを繰り返すことによって、仕事を継続的に改善していくという考え方です。
「PDCA」を意識して描いていくことで、ひとりで机に向かう制作工程を自分で点検、チェックできるようになります。
上達の速度も、ぐっと早まります。
「PDCA」については、こちらのサイトがわかりやすいと思いますのでリンクしておきます。
イラストを常に改善させていくPDCA
誰でも限られた持ち時間の中で、できるだけ早くイラストが上達する、仕事に結びつけられるように、この「PDCA」の考え方を利用します。
好きだからこそ描くわけですが、ただ長時間描くだけではなかなか上達しません。
ルーティンや、同じような作業の繰り返しばかりをいくらやっても、上手くならないのです。
上手くなるということは、今までの自分が変わること=新しくなること、です。
同じ1時間でも、学び、深く考えた上で行ったことと、せっせとベタ塗りだけ繰り返していたのでは、成長の速度は違って当然ですよね。
イラスト制作のPDCA /イラストの描き方
- Plan(計画):どんなイラストを描きたいか。どうやって目指す技量を身につけるか。期間を決めて、計画を立てる。
- Do(実行):立てた計画に沿って描く、勉強する。
- Check(評価):満足のいくイラストが描けたか、求めた技術を学べたか、成果を確認する。
- Action(処置・改善):計画した通り出来なかったことを見つけて処置、改善をする。
仮説を立てる
この「PDCA」を回し続けていくためには、最初のP(Plan:計画)のために、「仮説を立てる」必要があります。
こうすればうまく行くんじゃないか?
これが足りないからうまく行かないんじゃないか?
という仮説を立てて、そのための計画を立ててやってみるのです。
目標だけあっても意味がない
あんな風に描きたいんだけどね、とか、いつかたくさんの小説の表紙を描いてみたいんだよね、など、漠然とした目標だけあっても、実際そこにたどり着くまでの計画、行動がないと意味がありません。
大きな目標であればあるほど、数日で達成できることはなく、数週間、数ヶ月、それ以上かかる目標もあります。
結局、今出来る小さな目標をはっきりさせて、それを1つ1つ実行していくしかありません。
ノートに書き出そう
PDCAを回していくためには、「計画する」という最初の段階がなければ始まらず、もっとも大切な部分です。
まず、1冊ノートを用意します。
自分が目指すもの、学ぶたいこと、1つについて見開きで2ページを広々と使います。
各項目について、実際にやるべきことを描きます。
そして、次の1週間でどれをやるつもりか、項目の中から選んで、ノートの新しいページに週の計画を書きます。
これも見開き2ページ使います。
週が終わったら、結果を振り返る
1週間終わったら、ノートを広げて見返してみます。
- 頑張ってやったことはなにか?
- やらなかったこと、さぼったものはなにか?
- うまくやれなかった理由は、時間がなかったのか?やり方が悪かったのか?
- もし来週も時間が作れないなら、計画のボリュームを落とすほうがいいか?
- 来週、集中して取り組むべきことはなにか?
- 改善すべきことはなにか?
思いつくまま挙げてみましたが、ノートに書き出した計画と1週間後のギャップがあれば確認する。
週が終わったら振り返り、「じゃあどうしよう?」と次の手を考えることがポイントです。
ノートに書きっぱなしでは意味がなく、見返すことで次につながっていきます。
小さな目標は「一日で出来ること」で決める
とは言え、一週間という期間で、出来ることは知れています。
一日ごとにできることは、そんなに多くはありません。
自由に出来る時間、イラストだけに集中できる時間も、多くは取れない場合もあります。
でも、漠然とただ長時間描いているのに比べ、自分で仮説を持ち、計画を立ててやってみることを繰り返していると、数ヶ月後には大きな差が出ます。
大きな目標はすぐに達成できませんが、そのために出来る「小さな目標」を、「一日単位で出来ること」で決めていくことがポイントです。
小さな目標は「プロセス」で決める
小さな目標は、成果ではなくプロセスで決めたほうがうまくいきます。
成果は自分でコントロールできない部分が大きいですが、プロセスならコントロール出来るからです。
3日に1本イラストを完成させる、というのも、悪くはないのですが、少しハードルが高いので挫折しやすいかも知れません。
3日で1本描けなかった、ということが何度も続くと、「無理だった」で終わってしまいやすくなるからです。
それよりは、自分が怠け心を出さない限りは確実に実行できるものを考えてみます。
「目の描き方を勉強する。書籍やサイトを調べてみる」
「調べたことをもとにして実際に描いてみる」
そんな一日単位の、必ず実行できるレベルの目標にしてみます。
大事なのは、
大きな目標につながる、小さな目標を見つける。
小さな目標達成のために、毎日やれる具体的な行動を見つけて実行する。
自分が決めた「出来ること」を積み重ねていくと、達成感もあり、自信にもつながります。
目標の立て方については、こちらにも記事を書いていますので、リンクしておきます。
いいPlan(計画)を立てるには
良いPlanを立てるには、良い仮説を立てることです。
良い仮説を立てるためには、他人の素晴らしい作品をたくさん見たり、本から学んだり、現実の世の中にあるものを観察したり、判断基準となる情報をどんどん取りに行くことです。そして実際に体験したり、遊んだりすることが大切です。
連載①で書いた、「遊びで描く+たくさん遊ぶ」につながっていきます。
まとめ/イラストが上達するには?イラストレーターになるには?
どうすれば目指すイラストのように上手に描けるようになるか、
どうすればもっとたくさんの人に喜んでもらえるようになるか、
どうすればもっと早く描けるようになるか、
そういったことを考えて、計画を立て、実際にやってみて、上手く行かなかったらまた違う方法を考えて試してみる。
イラストの上達は、そのプロセスの繰り返しです。
プロのイラストレーターになりたいと目指すなら、この日々の改善システムを、自分自身で持っている必要があります。
イラストを描くのは楽しいですが、”仕事”となった途端、その厳しさは、他のすべての仕事と同じだからです。
ただ描くだけでなく、ビジネスとして育てていく努力が必要になります。
イラスト制作のPDCAをガンガン回していきましょう。
その過程を通して、イラストを描くことだけでなく、自分自身が成長します。
一つ、励まされる文章を引用します。
芸術にかかわることで、うまくできてもできなくても、魂は成長する。
ほんとのことだ。カート・ヴォネガット(訳・円城塔)「これで駄目なら」飛鳥新社 より引用
それではまた。
イラストレーターAkihisaSawada
→ イラストの上達方法⑥「成長の速度を理解して淡々と進もう」
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