本を書くこと/日々の情報整理・思考の整理
外山滋比古さん「思考の整理学」。
ちょうど10年ぐらい前に、仕事と旅行を兼ねて京都に行ったとき、書店で見つけた本です。
「東大・京大で1番読まれた本」として知られ、40年以上読み継がれるベストセラー。
僕が買った時の帯には「175万部突破」とありますが、この10年ですでに300万部ぐらい売れているようです。
この本は、自著「BLOF理論で有機菜園」を書き始めた時にも参考にしました。
本書のポイント/キーワード抜書き
- 学校はグライダー人間の訓練所。自分のエンジンで飛ぶ飛行機人間は作らない。
- 朝飯前の時間を増やせば効率が良くなる
- 考えを発酵させる、寝かせる
- エディターシップ/持っている知識をどんな組み合わせでどういう順序に並べるか
- 触媒/すでに存在しているものを結びつける力
- セレンディピティ/目的としていなかった副次的に得られる研究成果。脱線が面白い。
- 新聞・雑誌・本のスクラップ
- カード・ノート
- つんどく法/ノートもメモも取らずに片っ端から読んでいく
- 手帖とノート
- メタノート
- 整理/いかにうまく忘れるか
- 知識は増やすだけではなく、どんどん捨てる
- とにかく書いてみる/書いてみれば整理が進む
- 自分を褒める、思いつめない
- 知恵/本に書いていない知識
- 拡散と収斂
- コンピューター/人間にしかできない仕事、人間らしく生きること
- あとがき/書くことは考えること
考えすぎずにコツコツ進む
考えたことを寝かせる大切さ、「見つめる鍋は煮えない」というくだりは、自分が本を書く時にいつも意識していました。
1つのことを考えつめすぎないこと。しばらくは放っておく時間が必要。
本書の中で、アメリカの作家、ウィラ・キャザーの言葉が引用されています。
「ひとりでは多すぎる。ひとりでは、すべてを奪ってしまう」
そして、これから論文を書こうとしている学生たちに外山さんが言うという言葉
「テーマはひとつでは多すぎる。少なくとも2つ、できれば3つ持ってスタートして欲しい」
ひとつだと見つめた鍋のようになり、うまくいかない。こだわりが出来て、妙に力んでしまう。
1つではなく2つ、3つとあれば、これがダメでも代わりがあると思えるから気が楽。
そして読んでいて大切だと感じたのは、とにかく急がずに、ゆっくりゆっくり進めていくということ。
書けても書けなくても、毎週ある一定のペースで書く時間をとること。
肩に力を入れすぎず、思い詰めず、ムキになりすぎないこと。
山登りのように、トボトボと歩いているようでも、着実に足を進めることで、ちゃんと遠くまで進むことが出来るはずだと信じること。
本書を読みながら、そんなことを自分に言い聞かせてました。
そして約1年かけてなんとか本を書き上げることができたことは、自分のささやかな自信になっています。
実際的な書き方というよりは、長い期間をどう乗り切っていったらいいか、書くことへの向き合い方といった部分で、とても励まされた本です。
マネしてみたいやり方、考えさせられること満載で、折に触れて読み返したくなる本「思考の整理学」。
それではまた。
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