土壌酸度(pH)が合っていないとそもそも育たない
こんにちは。三澤です。
家庭菜園、有機栽培初心者向け、土壌酸度(pH)のお話です。
pHは、ペーハー、またはそのままピーエイチと読みます。
「ペーハー」はドイツ語読みで、多くの農業者、また、何年も家庭菜園をやっている人は「ペーハー」と呼ぶことが多いと思います。
「ピーエイチ」と呼ぶ人もいますが、どちらでも構いません。
多くの本では「ペーハー」と書かれていて、知人もそう呼ぶ人が多いので、僕は「ペーハー」と呼んでいます。
呼び方はともかく、「pH」は、野菜を育てる上でもっとも重要な指標の一つです。
種まきや苗の植え付け以前に、pHがでたらめな数値では、そもそも野菜は育ちません。
良く野菜つくりをするには、まず自分の畑の「土壌酸度(pH)」を調べることから。
土壌酸度(pH)とは?
育てたい野菜が好むpHに調節してあげないないと、他の条件が揃っていても、野菜は良く育つことができません。
土壌酸度とは、土が酸性よりか、アルカリ性よりかを示す指標で、pHの単位であらわします。
pH7.0が中性で、それより低ければ酸性、高ければアルカリ性です。
多くの野菜は、pH6.0〜6.5前後の弱酸性でよく育ちますが、野菜によって好むpHが違います。
たとえば、ジャガイモやサツマイモ、スイカなどはpH5.5〜6.0でよく育ちます。
しかしホウレンソウは、酸性が強いと育ちません。6.5〜7.0程度に調整してあげる必要があります。
何度タネまきしてもホウレンソウがよく育たないという相談をよく受けますが、僕も以前は同じ悩みを持っていました。
ホウレンソウは、pHにはかなりシビアな野菜です。
野菜がよく育たない時、土の状態や肥料の種類や量、原因はさまざまですが、一番の原因は、pHがその野菜に合っていないことです。
逆にブルーベリーはかなりの酸性土を好み、pH4.5〜5.2が栽培に適しています。これを上回ってくると、良く育たなくなります。
作物ごとに最適な土壌酸度(pH)があり、これを大きく外れてしまうと、どんなにこまめに水や肥料をあげても育ちません。
今まで思うような野菜が出来なかったという人も、このpHを意識するだけで、ぐっと成果が変わってきます。
教科書どおり与えるのはNG /年々不作に悩まされるようになる
多くの野菜つくりの本では、最初に苦土石灰(マグネシウムとカルシウムの複合資材)を150g(1m2)程度撒きましょう、などと書かれています。
たしかに、日本の土壌は放っておくと酸性よりに傾いていることが多いのですが、教科書どおりに毎作入れていると、徐々に徐々に、不作に悩まされるようになります。
次第に土が、アルカリ過剰に傾いていってしまうからです。
そもそも肥料を与える理由は、足りない養分を補うことです。
すでに足りているものを入れる必要はありません。
毎作機械的に、たとえば苦土石灰を与え続けていくと、カルシウム、マグネシウムが蓄積されて高濃度になっていきます。
やがて過剰症を起こし、野菜に深刻な生理障害が起きるようになり、よく育たなくなります。
また、過剰になった養分は、他の必要な養分の吸収を妨げてしまいます。
さらに、過剰な養分を吸収した野菜は、人のカラダに深刻な害を与えることもあります。
無農薬、有機、だからといって、実は「安心・安全」とは限らないのです。
今まで何年も栽培をしてきた家庭菜園や、市民農園(貸し農園)などでは、測ってみるとpHがすでに7.5〜8以上あることもめずらしくありません。
このような畑ではたいてい、毎作苦土石灰を撒いてきた、鶏糞や、草木灰、米ぬかを大量にまいてきた、というケースです。
土がアルカリよりに傾きすぎれば、本来作りやすいはずのジャガイモやサツマイモでさえ、年を追うごとに不作に悩まされるようになります。
野菜の栽培に適した土壌酸度(pH)
それぞれの野菜ごと、生育に適した土壌酸度を表にまとめてみました。
(書籍BLOF理論で有機菜園に掲載)
まずはpHを測ってみて、これから育てたい野菜に適した土かどうかを確認することが、良い野菜つくりの最初の一歩です。
費用をおさえてpHを測る
家庭菜園では、あまり過度にお金はかけたくないと思います。
そんな場合でも、手軽にpHを測れる方法があるので、ぜひやってみてください。
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