こんにちは。三澤です。
栽培のたびに、決まった儀式みたいに苦土石灰をまいてませんか?
多くの野菜つくりの本には、よくこんな風に書かれています。
「種まきや植えつけの2週間前に、苦土石灰を150gまきます」
「追肥は、苗の植えつけ1ヶ月後から2週間に1回、化成肥料30g/m2」
しかし実際には、この通りにやると年を追うごとに、よく育たなくなります。
そもそも、なぜ毎年同じように与える必要があるのか?
足りないものは入れる必要がありますが、足りていれば、毎作入れる必要はありません。
たとえば苦土石灰(マグネシウムとカルシウムの複合資材)。
日本は降雨量が多いので、カルシウムやマグネシウムといったミネラル分が流れてしまいやすい特徴があると言われます。
たしかにその通りで、そのために土が酸性に偏りやすいのはたしかですが、本当に土が酸性に傾いているのか、逆にアルカリ性に傾いているかは、測ってみないとわからないのです。
「苦土石灰を150g」を毎作入れていたら、いずれはアルカリ性に傾きすぎて、野菜がよく育たなくなります。
苦土石灰のことを例に書きましたが、毎作牛糞をドバドバ入れている人、米ぬか万能思って毎作入れている人は、カリ過剰やリン過剰になっている危険があります。また、「追肥は、苗の植えつけ1ヶ月後から2週間に1回、化成肥料30g/m2」、
こういった追肥のタイミングの目安も、必ずしも当てはまるわけではありません。
基本的には、野菜の生育を見ながら、葉の色や生育の様子を見ながら、肥料欠乏のサインが見えたら行います。
本当は検査機関などに依頼して、土壌分析を行ってもらうのが確実です。
でも、家庭菜園でそこまで出来ない、費用をかけてやりたくない、という場合でも、pHだけは、必ず測ってみることをお勧めします。
自分で簡単にpHを測るには
pHを測る道具には、主に2つあります。
1つは、畑やプランターの土をとって、水で薄めて上澄み液を測るタイプ。
もう1つは、直接土に差して測るタイプです。
土を水で薄める方法がお勧め
pH測定器には、安価なものから高額なプロ仕様のものまで、かなり幅があります。
数千円で購入できる、土に差すタイプのデジタルpH測定器がいろいろと販売されていますが、あまり安価なものでは正確に測ることが難しいため、僕はお勧めしていません。
注意点としては、測る場所や、測る時の土の水分量などに影響されやすいことです。
測るたびにまったく違う計測結果が出たりします。
本格的に正確な数値を知るには2〜3万円する高価なpHメーターが必要ですが、家庭菜園でpHを調べるには、数百円で買えるリトマス試験紙や、土壌酸度測定液といった商品でも十分です。
土壌酸度(pH)測定液
僕は住友化学園芸の「酸度(pH)測定 アースチェック液」を愛用しています。
価格は約700円で、45回使えます。
我が家の約20坪の家庭菜園では、1年では使い終わらない量です。
土のpHを測るだけでなく、酵母菌や納豆菌、乳酸菌を培養した時、また、酢とカルシウムを混ぜて「酢酸カルシウム」を作った時などにも、この測定液で必ずチェックしています。
計り方は、土と水を1:2でよく混ぜたあと、30分ほど置いて透明になってきた上澄を取るか、ハンドドリップのコーヒーフィルターで濾す方法でもOKです。
そこに試薬を3滴落とすだけなので、簡単に測れます。
この時には購入したプランター培土を測ってみたんですが、pH約6.0前後という結果でした。
使い勝手が良くて価格も安いのでおすすめです。
酸度(pH)測定 アースチェック液
土壌酸度(pH)計
土に差すタイプで安価なものはあまりお勧めしませんと書きましたが、試してみたいという方には、こちらをおすすめします。
電池不要で、手軽に使える土壌酸度計です。約1分間、土にさすだけで測定できます。
土が乾いている場合は、ジョウロなどで水をまいて、20〜30分ほど置いてから測ります。
この記事の執筆時点で3,745円・税込(Amazon)です。
実は僕もこの商品を持っていて、何度か試してみました。
使い方のコツを間違えなければ、そこそこ使えることがわかりました。
正しく測るポイントは、測りたい畝の3〜5ヶ所くらいで測定して、平均値を取るようにすることです。
僕は普段、「酸度(pH)測定 アースチェック液」を気に入って使っていますが、こちらの酸度計はいろいろな雑誌や本で紹介されています。
両方使い比べてみると面白いかと思います。
リトマス試験紙 pH試験紙 スティックタイプ
最後は、もっともオーソドックスにリトマス試験紙。
小学校の頃を思い出して、やってみるといいと思います。
手間的としては酸度測定液と同じです。
もっとも安価にpHが測れます。
400枚入りで、この記事の執筆時点で677円・税込(Amazon)。
1回の測定で2円しません。
家庭菜園で土壌酸度(pH)を調べるなら、何万円もする効果なデジタル計を買わなくても、こういった安いもので十分測ることができます。
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