イラスト/風と共に去りぬ「マミーの朝食」

(イラストレーションNo.db003)イラスト/風と共に去りぬ「マミーの朝食」

イラスト/風と共に去りぬ「マミーが用意する朝食」じゃがいも、そば粉のホットケーキ、ハム

こんにちは。イラストレーターのAkihisaです。

「本に登場する料理」シリーズのイラスト、4作目。
「風と共に去りぬ」から、「マミーが用意する朝食」」のイラストです。



物語の始まりまもなく登場する「マミーの朝食」

1861年4月の暖かい朝。
アシュレ・ウィルクスの屋敷「トウェルブ・オークス」で開かれるバーベキュー・パーティに着て行くドレスを選ぶスカーレットのもとに、乳母のマミーが朝食を運んできます。

その黒い大きな手にもった盆の上には、バターを塗った大きなじゃがいもが二つと、シロップがたれるそば粉のホットケーキと、肉汁のなかを泳ぐハムの大きなかたまりがのっていた。

これを見ると、スカーレットの、いくらかじりじりした表情は、強情な戦闘的な表情に一変した。
オハラ家の令嬢たちは、どんなパーティーに行くときでも、向こうでなにも食べなくてもすむように家で腹ごしらえをして行かなければならないというのが、マミーの信奉する鉄則なのだが、衣装のことばかり熱中して、スカーレットは、そのことを忘れていたのだ。

「いらないわ。ほしくないの。台所にさげておくれ」

「だめでごぜえますだ。(中略)これを一つ残らず食べていただきますだよ」

「貴婦人(レディ)というものは、小鳥のようにすこししか食べねえものだと、わたしはなんど申しましたことか。
わたしはあなたに、ウィルクス様のお屋敷へ行って、野良働きの奴隷みたいに意地きたなく、豚のようにがつがつと食べてもらいたくねえですだよ」

マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(一)/大久保康・竹内道之助訳 講談社文庫より引用

マーガレット・ミッチェルと「風と共に去りぬ」

1900-1949。アトランタ生まれ。
「風と共に去りぬ」は1936年の出版。
南北戦争の前夜から始まるこの小説は、ジョージア州アトランタを背景に描かれた長編時代小説。
執筆には10年近い歳月がかけれれ、出版の翌年にはビューリッツァー賞を受賞。

ミッチェルは生涯でこの「風と共に去りぬ」だけを遺し、1949年八月、交通事故により夭折。
享年48歳だった。

南北戦争時代、とくにジョージア、アトランタの歴史に詳しかった父、兄の影響を受けて、マーガレットも小さい時から、南部の歴史に強い興味を持っていた。

「アトランタ・ジャーナル社」で日曜版の記者を務めていた彼女は、再婚後、階段から落ちて足首を捻挫し、三年間ほど家に閉じこもって本ばかり読んで過ごした。

その時に書き始めたのが「風と共に去りぬ」で、父や兄の集めた史料をもとにして、1860年から1873年まで(南北戦争発端から戦後の再建時代まで)の新聞、記録、書簡などを丹念に調べて行った。当時の女性の髪型、服装、生活などについても、調べられる限り調べあげた。
どんな歌が流行っていたか、どんな食事をしていたか。

時代と場所がきまり、マーガレットは「スカーレット・オハラ」という、当時にあっては進んだ考え方、性格の少女を主人公に選んだ。

この小説は1929年にはほぼ完成していたが、出版される陽の目を見るまでには6年の歳月が必要で、それまではマーガレットの引き出しの奥に埋れていた。

彼女は、この小説が出版されるとは夢にも思っていなかったと後日語っている。

「出版されることがあろうとは、すこしも考えませんでした。
こんな長たらしい歴史小説が、一般の読者の大きな興味をひくなどとは、まるで考えられなかったのです。
いよいよ出版する時になっても、五千部以上売れようとは思ってもみませんでした。」

マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(五)/大久保康・竹内道之助講談社文庫「解説」より引用

マーガレット・ミッチェルについては、こちらの本に詳しく書かれています。
「タラへの道 マーガレット・ミッチェルの生涯」

「タラへの道 – マーガレット・ミッチェルの生涯」

今では絶版になっていて、中古でしか手に入らないようですが、amazonで、102円から入手可能です。

 

文庫は何度も装画が変わっています

新潮文庫の「風と共に去りぬ」は、何度も装画が変わっています。
一つの作品が、これだけ装丁されなおして出版されるのも珍しいと思います。

僕が持っているのはこちら。昭和52年発行なのでもう結構古いヴァージョンです。

引越しの時に、一度持っていた本をすべて処分してしまったことがあるんですが、その後やはり手元に置きたくなって、中古で買い直したものです。

文庫「風と共に去りぬ」

不朽の名画

「風と共に去りぬ」を知ったのは映画が最初で、その後小説を読みました。
読んでみて、映画がいかによく出来ていたかということを思ったし、映画では描かれなかったたくさんのシーン、人物たちの描写が面白くて、読み始めたら止まらなくなった記憶があります。

僕が映画を見たのも小説を読んだのも、だいぶ遅ればせながら、たしか高校生の時だったと思います。
1980年代の終わり近くだったと思う。
出版され、映画化されてから半世紀近くもあとになって見たわけですが、そんな昔に、こんな素晴らしい小説、映画が作られたんだということに驚きました。

主演はビビアン・リー、クラーク・ゲーブル。

○ 解説

1939年に製作され、アカデミー賞主演女優賞を始め10部門に輝いた不朽の名作。
大富豪の令嬢スカーレット・オハラが、愛や戦争に翻弄(ほんろう)されながらも、力強く生き抜く姿を描く。
66年の歳月を経てデジタル・ニューマスター版となった本作は、最新の技術により当時の鮮明な映像を再現することに成功した。
ヒロインを演じたヴィヴィアン・リーのチャームポイントであるグリーンの瞳が、より一層魅力的に輝いている。

シネマトゥディ(外部リンク)

というわけで、イラストは「風と共に去りぬ」から、”マミーが用意する朝食/バターを塗った大きなじゃがいもが二つと、シロップがたれるそば粉のホットケーキと、肉汁のなかを泳ぐハムの大きなかたまり”でした。
イラスト/風と共に去りぬ「マミーの朝食」

それではまた。
イラストレーターAkihisaSawada

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