イラスト制作/アルプスの少女ハイジ「黒パンと山羊のチーズ」
こんにちは。イラストレーターのAkihisaです。
「本に登場する料理」シリーズのイラスト2作目。
今回は、アルプスの少女ハイジに登場する「黒パンと山羊のチーズ」です。
僕が「ハイジ」に出会ったのは、もちろん演出を高畑勲さん、場面設定・画面構成(レイアウト)を宮崎駿さんが担当したアニメ「アルプスの少女ハイジ」です。
物語に登場する料理に惹かれたのは、アニメ・ハイジが最初なのかも知れないなと思ったりします。
おじいさんがカマドで焼いて出してくれる、とろとろで金色に光るチーズの載った黒パン。
その時の、ハイジの大喜びする顔が浮かびます。
なんて美味しそうなんだろう、自分も食べたい、と思った記憶があります。
貧しくて白いパンが食べられなかった
黒パンは、ライ麦が原材料で、はっきり言ってカチカチに固かったようです。
白パンは発酵するのに時間がかかり、小麦粉も高価だったため、ハイジもおじいさんも、ペーターもペーターのおばあさんも、黒パンしか食べられなかった。
実は調べてみると、スイス・アルプスの山岳地帯では、黒パンでさえ、毎日は食べられなかった貴重なものであったようです。
フランス革命(1789年)以前の時代、白いパンは上流階級のみが食べられるもので、ハイジの時代にも(1850年ごろ?)、白いパンは、都会の裕福な人しか食べられませんでした。
山岳に住む貧しい人たちは、黒パンではなく、燕麦(えんばく)の粉で作ったお粥を食べることの方が多かったようです。
憧れの白いパン
白パンを食べたがっていたペーターのおばあさん。
フランクフルトに行ったハイジが、白パンとタバコをお土産に持って帰ることを楽しみにしていたこと。
たくさんの白パンを溜め込むハイジ。
そのパンを全部捨てられて、泣き崩れるハイジ。
なんとか慰めようとするクララ。
なんだか思い出すだけでジーンとしてきます。
何十年も前に見たアニメなのに、うっかり目頭が熱くなってきます。
それだけ、子供の頃に見たものや、体験や感動はいつまでも印象に残るし、誰にとってもきっと大きなものなのだろうと思います。
僕は娘がまだ6歳なので、余計にそんなことを思いました。
原作:ヨハンナ・シュピリ「アルプスの少女ハイジ」
その後、二十代の半ばを過ぎてから、ヨハンナ・シュピリの原作を読みました。
原作はかなり宗教色が強く、信仰の大切さがテーマとなっていて、ハイジも熱心なキリスト教徒へと成長していきます。
また、ペーターはアニメほどハツラツと元気な感じではなく、ハイジがクララと仲良くなったことに嫉妬して、クララの車椅子を、崖から落として壊してしまう場面もあったりします。
当たり前だけれど原作は原作だけあって面白いし、そうだったからこそアニメ化されたわけですが、アニメ版との違いを楽しんでみるのもいいかなと思います。
ちなみにネットを検索してみたら、アニメ「アルプスの少女ハイジ」の詳細なあらすじを掲載しているサイトがありました。
詳細すぎて、ちょっと読むのに疲れますが(笑)、読んでいくと、懐かしいシーンが目に浮かんできます。
アニメ版、全部で52話もあったんですね。
本の内容
アルプスの山奥で孤独に暮らすおじいさんのもとに、孫娘ハイジがやってきた。無垢で、優しさにあふれた天真爛漫な少女は、出逢う人すべてに幸せと奇蹟をもたらす。暗い過去を背負うおじいさん、人見知りの山羊飼ペーター、盲目のおばあさん、そして車椅子の少女クララ―。大人たちの都合や意地悪に振りまわされながら、悲しみに負けず、思いやりの心を忘れないハイジの姿は、世界中の人々に愛され続けている。不朽の名作。
「BOOK」データベースより
イラストは、アルプスの少女ハイジ「黒パンと山羊のチーズ」でした。
それではまた。
イラストレーターAkihisaSawada
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