初期葉の展開の速さがその後の生育を決める
こんにちは。三澤です。
「外葉(がいよう)類」と呼ばれるのは、こんな野菜たちです。
- キャベツ、ハクサイ、レタスなど、丸く結球する野菜
- ブロッコリー、カリフラワーなど、花の蕾を食べる野菜
- タマネギ、ニンニクなど、肥大した鱗茎(りんけい)を食べる野菜
外葉類は、野菜のライフステージで見た時、「擬似生殖成長型」に含まれます。
野菜は、大きく3つの生育タイプに分けて考えるとわかりやすくなります。
以下の記事も併せて参考にしてください。
外葉タイプの野菜の共通点は、生育の初期に次々と葉を出し、結球部や花蕾が大きくなり始める頃には、大きな外葉が出来る特徴があります。
初期に展開した葉の生育が良いほど、キャベツやハクサイ、レタスなどは結球部も大きく育ち、ブロッコリーやカリフラワーでは、花蕾が大きく肥大します。
収穫部が大きくなり始めるのは、チッソ肥料が切れ始める時期。
ダラダラとチッソが効いていると、キャベツやハクサイでは、いつまでも丸くなってこないということが起きます。
初期生育の良さがその後の生育の良さを決めるので、元肥で適量の肥料を入れ、しっかり土作りを行うことが、外葉を大きくし、次いで収穫部を肥大させていくという二段階の生長をするのが、外葉タイプの特徴です。
イラストは『BLOF理論で有機菜園 〜初めてでもうまくいくしくみ〜 』三澤明久 著/小祝政明 監修 より
肥料の与え方と生長の変化
外葉タイプの元肥で大切なのは、最初にチッソをしっかり効かせて、初期葉を大きくすること。
ただし、堆肥に含まれる長効のチッソは、いつまでもダラダラと効かないようにします。
大きな葉で株を充実させ、土壌中の養分を吸収し、結球部や花蕾部の肥大が始まる頃には、徐々にチッソが切れていくようにします。
収穫部が肥大する時期も、カラダを維持するための最低限のチッソは必要ですが、同時に、その時期に光合成をがよく出来るように、ミネラルを不足させないことが大切です。
外葉タイプは基本、追肥は行いませんが、保肥力の低い砂地などの場合は、生育の様子を見ながら追肥を行います。
外葉類① 結球野菜の肥料の効き方(キャベツ・ハクサイ・レタスなど)
結球が始まる頃には肥料(チッソ)が切れてくるように。
外葉類② 地下の茎を太らせる野菜の肥料の効き方(タマネギ・ニンニクなど)
実を太らせるために追肥する場合は、2月〜3月が追肥のタイミング(地域によります)。
それ以降は追肥すると、味を落としたり、野菜の日持ちを悪くしてしまいます。
土つくりのポイント
外葉タイプは葉菜タイプより栽培期間が長く、次第に土が硬くなり、水はけが悪くなりがちで、注意が必要です。
土が硬くなれば、根が十分に張れなくなり、十分に養水分を吸収できなくなります。
中熟堆肥を施用し、太陽熱養生処理を行って、土をふかふかにしておくこと、病害虫を抑制しておくこと、根からも水溶性炭水化物を吸収させて十分な炭水化物を蓄えることが、外葉類を栽培する最大のポイントです。
収穫までミネラルを切らさない
初期から葉を大きく展開させていくには、元肥でしっかりミネラルを与える必要があります。
とくにカルシウム(石灰)については、不足すると細胞膜や細胞壁が弱くなり、害虫もつきやすくなります。
夏はとくに生育が軟弱になりやすいので、石灰を多めに施肥し、生育を締めることで、土壌病害も抑えることが出来ます。
それではまた。
外葉タイプ/野菜別 育て方
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