フリーランスのイラストレーター+副業でも20万円以上の収入があれば確定申告が必要
こんにちは。イラストレーターのAkihisaです。
1年に1度必ずやってくる「確定申告」。
フリーランスでやっている以上逃れられない毎年の事務処理ですが、会社で働きながら副業としてイラストを描いている人も、収入が20万円を越えると確定申告が必要です。
僕は独立する前、5年ぐらいは会社員とイラストレーターの2足のわらじを履いていたので、在職中から毎年自分で確定申告をしていました。
最初はどんな書類にどう書けばいいのかわからないし、「よくわからないことをやる苦痛」が大きくて、いつも後回し。
ギリギリになってやるのでさらにストレスが増す、という悪循環でした。
三年目ぐらいからは、要領もわかって、半日もあれば楽に完成できるようになりました。
ポイントをおさえれば確定申告は怖くない!
いくつかのポイントさえ抑えれば、確定申告はさほど難しくありません。
むしろ、払いすぎた税金が戻ってくるのでお得な制度です。
イラストレーターの確定申告
イラストレーターの確定申告について、わかりやすく概要を説明します。
全体像をだいたい把握しておくだけでも、その後の準備がずいぶん楽になります。
確定申告とは?
「確定申告」とはそもそも何か?初めてでわからない人もいると思います。
簡単に言うと、稼いだお金に対して、払わなければいけない税金の額を確定し、申告することです。
今年400万円稼いだとしたら、「400万円稼ぎました」と報告します。
ただし、経費や保険料など、そもそもの収入から控除してもらえる金額があるので、それを引いて所得税を計算します。
○ 報告の期間
報告するのは1/1〜12/31までの期間の収入です。
その間の収入を、年が明けた2月〜3月に、書類にして税務署に提出します。
○ 確定申告する必要のある人
確定申告は、会社勤めなら自分でやる必要がありませんが、以下に該当する場合は必要です。
- 自営業(フリーランス)で仕事をしている人
- 会社の給与以外に、20万以上の収入がある人
- 会社員でも、年収2,000万以上の人は自分で申告が必要
確定申告の期限
確定申告の書類を提出する期限は、例年2/15〜3/15までです。
その日が土日に重なる場合は、日付がずれます。
実際の収入金額を計算しよう
(イラストNo.iof095 デスクでパソコンに向かって事務仕事をする女性のイラスト)
実際の収入は、以下の計算で決まります
仮に300万円の収入があったとしても、所得税を計算するうえでの実際の収入は、もっと少なくなります。
収入から、経費や、各種控除してもらえる金額があるからです。
(例)300万円の収入があった場合
たとえば、300万円の収入があった時の例で説明します。
そのうち10%の30万円は、すでに出版社から天引きされて、所得税を支払い済みという場合です。
○ まず実際の収入を計算する
この実際の収入180万円に対して、決められた税率の所得税を支払うことになります。
所得税額は、収入によって以下のように決められています。
- 195万円未満 【税率 5%】
- 195万円以上 〜 330万円未満 【税率 10%】
- 330万円以上 〜 695万円未満 【税率 20%】
- 695万円以上 〜 900万円未満 【税率 23%】
- 900万円以上 〜 1,800万円未満【税率 33%】
- 1,800万円以上 【税率 40%】
180万円の収入なら税率5%なので、
180万×5%=所得税は9万円
ですね。
でも、出版社から30万円を天引きされて支払われていました。
9万円の所得税を支払えばいいところを、21万円多く払っていたという計算になります。
この21万円が、確定申告をすることによって戻ってきます。
※実際に支払う税額には、所得税のほかに、「復興特別所得税」があります。
東日本大震災復興のための財源として加わったもので、支払うべき所得税×2.1%がその金額です。
所得税が10万円なら、2,100円です。
イラストレーターの確定申告は領収書の整理だけやっておけば簡単です
イラストレーターの確定申告は、日々の領収書だけちゃんと整理しておけば、申告書類の作成自体は難しくありません。
慣れれば半日もあれば作成できるようになります。
領収書はノートやコピー用紙の裏紙に貼っておく程度でOK
毎日の帳簿といっても別に難しいものではなく、イラスト制作に関係のある経費のレシートや領収書を、ノートやコピー用紙に貼っておいて、貯めないうちにエクセルにつけていくだけです。
僕はコピー用紙に貼っています
整理した領収書は、あとから税務署で見せるとか、提出するとかいうことは基本ありません。
どんな風にとっておいても構いませんが、一応7年間の保管義務が決められています。
領収書をノートやコピー用紙に貼ってファイルしておいて、あとで経費の種類ごとに、エクセルなどで計算して、年間の合計額をだします。
イラストレーターの主な経費項目
消耗品費
10万円以下の、パソコンや周辺機器、カメラ、プリンタ、画材、文房具類など。
基本、10万円を超えると「固定資産」となり、減価償却を行う必要が出てきます。
新聞図書費
イラスト制作に必要な資料本、技法書、新聞、雑誌など。
通信費
インターネット回線、ホームページのレンタルサーバー、ドメイン、電話料など。
自宅の電話、スマホの電話代も、仕事に使う割合を掛け算して、経費にできます。
旅費・交通費
打ち合わせや、取材のための交通費、宿泊費など。
仕事で使用した車のガソリン代、高速代なども計上できます。
広告・宣伝費
facebookやInstagram、GoogleやYahoo広告など、イラストを広告、宣伝するための費用を使った場合に計上できます。
接待・交際費
打ち合わせでコーヒー代を支払ったり、お客さんと食事をした時に支払ったお金を計上できます。
雑費
イベントや、セミナーへの参加費、その他、イラスト制作にかかわる費用で、該当の経費項目がない小額のもの。
「白色申告」と「青色申告」の2種類があります
確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。
違いは、「青色申告」の場合はまず、「開業届」や「青色申告承認申請書」を出す必要があること。
「青色」は書類の作成が「白色」と比べて手間がかかりますが、「基礎控除」の部分で控除される部分が多かったり、その他にも節税効果が大きかったりします。
フリーランスでイラストレーターをやっている場合、どちらを選んでも構いません。
なお、会社組織にした場合は、「青色申告」が原則必要です。
会社員をやりながら、副業でイラストの収入がある場合には「白色申告」です。
ちなみに僕は「白色申告」です。
一人でフリーランスでイラストを描いているなら、手間のかからない「白色申告」をお勧めします。
難しく考えすぎずに、まずは作ってみよう
以上、イラストレーターの確定申告について、ざっと概要を書いてみました。
僕も最初は嫌で仕方ありませんでしたが、あまり難しく考えず、完璧に作ろうとして悩んでしまったりせずに、まずは、出来るだけ簡単に書いてある本などを見つけて作ってみましょう。
先述したように、領収書の整理など、年間通して日々やっていくことがあるので、早めに準備を始めるといいと思います。
また、たとえ書き方が間違っていても、書類を税務署に持っていけば丁寧に教えてもらえます。
どこか不備があれば、訂正の指示を受けてから直すということで、ぜんぜん問題ありません。
一つも間違えずに完璧な書類づくりをしよう、と固くならなくてもなんとかなるので、安心してください。
初心者にもわかりやすい参考書
確定申告初めての人でもわかりやすい参考書を何冊か紹介します。
僕もここに掲載の本で勉強しました。
持っているのは何年か前のヴァージョンですが、やることは同じなので、今でも古い版が役に立っています。
確定申告の説明本は、毎年最新版を買う必要はありません。
税改正や特別税など、制度が微妙に変わる場合もありますが、1度自分で確定申告をすると、翌年からは、税務署からその時期になると申告書類一式が送られてきます。
変更になった点などは、その説明がついてきますので、いちいち本を書い直さなくても大丈夫です。
最初にわかりやすい本を買って、とりあえず基本をおさえておきましょう。
1冊だとわかりずらかったり、説明が不十分な箇所があったりするので、2、3冊持っておくと、理解が早いと思います。
それではまた。
イラストレーターAkihisaSawada
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