芽が出ればあとは簡単/種まきで失敗しないポイント
ニンジンの栽培でもっとも難しいのは芽出し。
ニンジンは、もっとも発芽が難しい野菜と言えます。
逆に、発芽さえうまくいけば、栽培の70%は成功したも同然といえます。
- 好光性種子のため、土はごく薄くかける程度にする
- 土は常に湿らせておく
乾燥させてしまうと極端に発芽率が悪くなるため、芽が出るまでは常に土が湿っているようにします。
発芽には光を必要とするため、種にかける土はうっすらと。
難しいのは、覆土が薄ければ乾きやすくなることです。
とくに7月、8月の暑い時期は、すぐに土が乾いてしまうため、難易度が高くなります。
不織布のベタ掛けや、芽が出て苗がある程度しっかりしてくるまでは、遮光ネットなどで強すぎる光を和らげてあげると乾燥を防ぎやすくなります。
下の写真は、トンネルを作って、簡単に黒マルチで日陰を作ったものです。
とくに真夏の栽培では、強すぎる光を遮ってあげると、高温、過乾燥を防げます。
写真では、黒マルチを簡単に洗濯バサミで止めてあるだけなので、光のあたり具合を調節することができます。
豪雨の時には、雨に叩かれて種が流出させないようにする効果もあります。
ニンジン 栽培の基本データ
科名 | セリ科 |
食用部分 | 根 |
病害虫 | アブラムシ、ネキリムシ、キアゲハ、ネコブセンチュウ、黒葉枯病、黒斑秒、しみ腐れ病など |
発芽適温 | 15〜25℃ |
生育適温 | 15〜20℃ |
土壌酸度(pH) | 6.0〜6.5 |
※ ニンジンでは基本追肥は行いません
品質の良いニンジン栽培できたら上級者
ニンジンは、芽さえ出てしまえば、その後の管理は難しくありません。
ただし、芽が小さいうちは雑草に負けないよう、こまめに草取りをする必要があります。
ニンジンを良く育てるポイントは、根が肥大する頃には、チッソは出来るだけ切らせ、炭水化物を根の貯める生育に持っていくこと。
根菜タイプに共通する性質です。
- 着色が良く鮮やか
- 先端までよく太っている
- 肌が滑らかで光沢がある
- 病害、虫害などによる傷、しみがない
- 糖度、その他の栄養価が高い
見た目にもきれいで、栄養たっぷりの美味しいニンジンを栽培するには、種蒔き前に、土壌病害をできるかぎり抑えておくことが最大のポイントです。
このためには、太陽熱養生処理が非常に効果的です。
ニンジンの栽培時期 3つの作型
ニンジンが肥大する適温は20℃前後(地温)です。
これより高くても低くても生育が悪くなるため、それを踏まえて、栽培時期を考えます。
① 夏蒔き・秋冬穫り
7月から8月にかけて種蒔きする「夏蒔き・秋冬穫り」は、11月から12月にかけて収穫します。
7月前半よりは、7月下旬〜8月に入ってからの種蒔きの方が、変形果の発生や病害虫の被害が少なく、初心者でも栽培しやすいのでオススメです。
① 秋蒔き・春穫り(越冬型)
10月以降に種蒔きし、厳寒期はトンネルで栽培して、春に収穫する作型です。
甘く美味しく、栄養価の高いニンジンを育てるには、実はこの作型がもっともオススメです。
① 春蒔き・夏秋穫り
4月から5月に種蒔きして、8月〜10月にかけて収穫する作型です。
肥大時期が真夏にあたるため、土壌病害や害虫を防ぐこと、トウ立ちしにくい品種を選ぶことがポイントです。
ニンジンの病害虫
ニンジンは、病害虫の被害の多い野菜です。
種蒔きの時期が遅めの秋冬収穫の作型は、気温が低い時期の栽培のため、病害虫の発生が少なく、有機栽培、無農薬栽培が成功しやすくなります。
ニンジンのミネラル肥料
ほかの根菜類と比べ、ニンジンは“割れ”が生じやすい野菜です。
とくに暖かい時期の栽培では、水を吸い上げる量も多くなり、裂根が起こりやすくなります。
そこで、ダイコンなど、他の根菜類と比べ、ニンジンではカリの量を少なめに、カルシウムの量を多めにして、生育を引き締めるようにします。
また、ホウ素が不足するとニンジンが割れやすくなり、病害虫の被害を受けやすくなります。
鉄は根張りに関係する重要なミネラルで、ニンジンの色素でもあるカロテンを作ります。
不足すれば、養水分の吸収力が落ち、色も鮮やかにならず、栄養価も落ちてしまいます。
ニンジンを甘く美味しく栽培するには
ニンジンでは基本追肥は行いませんが、太さが親指くらいに生長したら、酢とカルシウム(2:1)をまぜた「酢酸カルシウム」を葉面散布してあげると、甘み、美味しさがぐっと増します。
それではまた。
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