見た目だけではわからない野菜の栄養値
こんにちは。三澤です。
昔の野菜と、現代の野菜の栄養価を比べてみると、多くの野菜で大幅に下がってしまっていることに驚かされます。
掲載した図は、拙著『BLOF理論で有機菜園 〜初めてでもうまくいくしくみ〜 』三澤明久 著／小祝政明 監修 後半のページに掲載した「食品成分分析調査 1963年と2020年の比較」です。
たとえばホウレンソウは、カルシウムの量が98mgから49mg、鉄は3.3から2.0mg、カロテンは8,000から4,200μg、ビタミンCは100mgから35mgへ。
見た目は同じでも、持っている栄養価がまったく違います。
つまり、同じ量を食べても、昔のホウレンソウと同じだけの栄養は摂れないということ。
その野菜が本当にどのくらい栄養たっぷりかは、見た目だけではわかりません。
野菜の栄養価が下がってしまった理由
野菜の栄養価が下がってしまった理由には、いくつかの原因が考えられます。
一つは、化学肥料に頼るようになって、野菜つくりの方法がまったく変わったことです。
手軽な化学肥料に頼るようになると、堆肥を入れない農家も増えました。
また、病気や害虫の対策には、消毒や農薬が大量に使われるようになりました。
結果、有機物が分解されて出来る「腐植」や、ミネラル成分、微生物も減少し、土の力そのものが落ちてしまったと言えます。
冷蔵庫や物流が進化し、長く保管が出来るようになったこと、ビニールハウスなどで旬ではない時期に、日照量が十分ではない時期に栽培されるようになったことなども、野菜本来の栄養価を下げてしまっている大きな原因と言えます。
野菜を食べると体にいい？
野菜が健康にいいことは、誰でも知っていますが、その野菜が、ビタミンやミネラル、抗酸化力を豊富に持っているかどうか、本当に栄養価の高い野菜かどうかは、見た目だけではわかりません。
野菜が持つ栄養価が大きく減少していて、食べる量も減ってしまえば、昔と比べて十分の一も野菜を食べられていないと言えます。
しかし、野菜をしっかり食べることは、健康な生活の土台です。
最近は家庭菜園に注目が集まっています。
農薬を使わず、安心で、甘く美味しい、栄養価の高い野菜を、自分の手で育ててみようという人たちが増えています。
自分たちが食べる野菜は、出来るだけ自分たちの手で作りたい
化学農薬や化学消毒なしで、病害虫に強く、美味しい野菜を育てることは、実は難しくありません。
野菜がどうして元気に育つのか、またはその逆に病気や害虫にやられやすくなってしまうのか、その仕組みと、では良く育てるためにはどうすればいいのかという、手順、材料がわかりさえすれば、初めての家庭菜園でも素晴らしい野菜つくりが出来るようになります。
それだけでなく、普通スーパーで売られている野菜の２倍、３倍のビタミンC、糖度、抗酸化力を持った野菜が育てられるようになります。
畑が小さくても、アパートやマンション住まいでプランター栽培しか出来なくても、ぜひ栄養たっぷりで美味しい野菜を育ててみてもらいたいと思います。
「BLOF理論で有機菜園」（三澤明久 著・小祝政明 監修）
（書籍版・kindle 電子書籍版）
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