掲載のイラストは、ちょうど二年前、2013年の1月にオリジナル作品として制作したものです。このイラストは、ポストカードとして販売しました(現在も販売中)。
今回は、イラストを描く過程でチェックしたいことを二つご紹介します。
○ 仕上がりに近い段階になったら、グレースケールに変換してみる
彩色が進んでくると完成も間近。
ある程度よく描けたかなと思っても、途中でグレースケールに変換してみることをお勧めします。
今回の作品のように、使用している色数が多めの時には、特にこのチェックが有効です。
モノトーンにしてみることで、全体の色合いのバランス、とくにコントラストのバランスがどうなのかがわかりやすくなる。
グレースケールにしてみて、ぼんやりとした印象になっていたら(それを狙っているなら別ですが)、陰影を強めにするべき場所があるかも知れない。
色の使用で迷うような時には、途中何度も変換して、確認しながら作業を進めていくと、作画がスムーズに進みます。
○ 画像を左右に反転してみる
バランスの狂いをチェックするには、画像を左右に反転してみるのが一番わかりやすいです。
今回は例として完成作品を反転していますが、できるだけ下書きの段階から、何度も反転させてチェックしてみる。
とくに人物の顔やプロポーションが狂っていると、いくらその後の描きこみをしっかりやっても、おかしな作品になってしまいます。
絵を裏返して透かして見る、というチェックのやり方は、もう25年も前、コンピュータで絵を描くということがまだ珍しかった時代に、友人から教わって知りました。
当時僕は漫画家を目指していたのだけれど、それまでは、自分はそこそこ絵が描けるほうだと思っていた。
しかし、絵を裏返して蛍光灯で透かしてみたとき、人物の目、頭の形のバランスが醜く狂っていることが一目瞭然でわかり、かなりショックを受けた覚えがあります。
その時のことは、今でもよく覚えている。
コンピュータで制作する場合は、画像を左右に反転させた状態で、おかしなところに手を入れ、その後またもとの状態に戻してみる、ということが出来るので、手描きに比べるとずいぶん楽です。
ぜひやってみてください。
○ グレースケールの作品の加工
制作途中のチェックということで、グレースケール変換を紹介しましたが、左のイラストのように、そこにアンバー系の色を乗せるとセピアカラーの作品になる。アンバーだけでなく、いろいろな色で試してみると、思わぬいい結果が生まれるかもしれません。
カラーで描いたものでも、仕上げの段階で色を破棄してみるというのも手です。あれこれ試してみてください。
それではまた。
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